主治医制にこだわる理由
『患者さんの診察は主治医が行う』。これは当然のことで、特に精神科領域に於いては最重要事項です。
ところが、近年では受診をする度に違う医師が担当するチェーン展開のメンタルクリニックが蔓延しています。
一般的なメンタルクリニックでの診療に割ける時間はせいぜい1人5分程度というのが実情です。はじめて会う医師にあなたの何が分かるのでしょうか?同じうつ状態でも、患者さん一人一人でうつ状態に至った理由は異なります。例えば、治療の進み具合で、『頑張らないで下さい』と療養を促すのか、『どんどん動きましょう』と活動性アップを図るのか、治療の段階やその患者さんのパーソナリティを理解してはじめて適切なアドバイスができるのです。
はじめて会う医師がアドバイスできることは、せいぜい一般的、教科書的な声かけになるため、例えば、うつ状態で休職している患者さんには『頑張らずにゆっくりしましょう』と教科書通りのアドバイスしかできないでしょう。結果、休職期間はイタズラに伸び、1年以上復職できないといった状況に陥ります(平均的な休職期間は3〜4ヶ月です)。『治さない医療』で患者さんがいなくならないようにする、逆によくできた医療システムです(皮肉です)。
当院では『治す医療』を心がけ、可能な限り、メンタルクリニックからの卒業を促します。そういった適切な医療を提供するため、主治医制は絶対に外せないのです。
注意点
はじめて来院した際に担当した医師が主治医になります。初診の枠が空いている医師が担当しますので、初診時の医師の指定はできません。また、途中で主治医の変更はできません。ご理解のほど、宜しくお願い致します。