自律神経失調症とは?
「自立神経失調症」は特定の疾患名ではありません。
体の活動時や昼間に活発になる交感神経(アクセル)、安静時や夜に活発になる副交感神経(ブレーキ)の2つのバランスが崩れた状態を意味しています。原因としては不規則な生活や過度なストレス、何らかの身体疾患を伴う場合、うつ病や不安症の症状の一部として出現する場合などがあります。特に多いのは対人関係のストレスを代表とした精神的なストレスです。
どんな症状が起きるの?
自律神経はあらゆる器官をコントロールしていますが、作用はそれぞれ異なります。複数の症状が別々に現れることもあれば、同時に3つ、4つの症状が重なることもあります。また体調やストレス・時間によって現れる症状や強さも異なります。
症状は非常に多様であり、生活の質を下げてしまうことが多いのも特徴です。具体的には以下のような症状が見られます。
- 起床時にだるさ、重たさを感じる
- 耳鳴りやめまいがする
- 頭痛や肩・筋肉の痛み・凝りを感じるようになった
- ぐっすり眠った感じがない
- 手の震えやしびれなどを感じる
- 便秘や下痢、吐き気などの胃の調子が良くない、かつそれが続いている
- 手汗をかく、動悸が出る
- 憂鬱な気持ちが続く
- 突然イライラしやすくなった
- 不安な気持ちが大きく、それが続く
どんな治療をするの?
神経のアンバランスな状態を修正することを目標に治療を行います。
睡眠不足に代表される生活のリズムの乱れ、体力的な疲れや食生活の変化などがきっかけで自律神経のバランスが乱れることがあります。そのためまずはゆっくりと休む時間を取ることや、規則正しい生活リズムの回復を目指します。
ただ、身体症状や精神症状がつらく、十分な休息がとれないこともあります。
その場合、症状を和らげるために、薬も併用することがあります。自律神経失調症の根本的な治療薬はありませんので、薬は補助的な役割となります。
イライラ、不安には抗うつ薬や抗不安薬、不眠には睡眠薬など、期間を限定して少量使用することがあります。