ADHDは後天性に起こる?

今回は先日、ADHDについて中野医学会で発表したトピックを紹介します。

◆ADHDは先天性か?

  先天性です。「病気」ではなく「性格傾向」と捉えるのが正しいです。

  のび太君+ジャイアンです(のび太君、ジャイアンの割合は人によって違う)。

◆後天性に(産まれた後の環境で)ADHD様の症状が出ることがあるか?

  「ありそう」というのが答えです。

  これについて説明していきます。

  • ADHD傾向のある人の前頭前皮質(PFC、脳の前の方です)では、ノルアドレナリン(NA)やドパミン(D)の活性が落ちていることが知られています。結果的にPFCの機能が低下し、これが不注意や衝動性を起こすと考えられています。
  • すなわち、後天性にPFCの機能が低下するような事態になればADHD様の症状が出現してもおかしくありません。
  • PFCの機能はNAとDで制御されていますが、NA、Dの活性が低いと機能が落ちます。
  • しかし、NA、Dが過剰な状態になると逆にPFCの機能が落ちることが分かってきました。
  • 要するに、NA、Dが適量でなければPFCの機能は保たれないと言うことです。
  • 後天的にNA、Dが過剰 → PFC機能低下 → ADHD様症状出現の可能性があります!
  • 常にピリピリした環境で育つと、後天的にNA、Dが過剰になります。
  • 虐待を受けてきた人がまさにこの状況に当てはまります。
  • 実際、虐待のある家庭で育った人は、慢性的なうつ症状の他、ADHD様の症状が非常に多いです。

◆上記のとおり、虐待を受けた人はADHD様の症状を起こすことが多いです。

 これは、虐待がADHDを発症させるということではありません。

 あくまで、ピリピリした環境が脳内の変化を起こし、ADHDに似た症状を起こすということです。

◆虐待を受けた人のADHD様症状について

  後天的なADHD様症状は薬が効きにくい印象があります。

◆まとめ

  ADHDは先天性。

  しかし虐待を受けた人は後天性にADHD様症状が起こしやすい。

  虐待は慢性的な抑うつの他、ADHD様症状も起こし、一生に渡って陰を落とす。

  虐待は絶対になくすべき行為です!

  「ピリピリした家庭環境」が子供の脳に悪い影響を与えることを覚えておいて下さい。

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